【東京・池袋】大人のためのペン字・書道教室

入門編

字をきれいに見せるコツ入門編(7)~文字の中心を意識してバランスをとる

美しい文字を書くための重要なポイントの一つが、文字の中心を正確に把握することです。一つの文字の中で、どこが中心になるのかを意識することが大切です。中心が定まることで、文字全体のバランスが安定し、整った印象​になります。

左右対称の文字の書き方

左右対称の文字の書き方「東」

たとえば「東」という字。中心になるのは真ん中にある縦の長い線です。この縦線は文字全体の骨格を支える重要な役割を担っています。この線を中心にして左右対称にすることを意識します。まず中央の縦線をまっすぐに引くことから始めましょう。この縦線が傾いてしまうと、文字全体が不安定に見えてしまいます。

左右対称の字の書き方「京」

「京」のような字も左右対称といえます。上部にくる「なべぶた」と、その下の部分の中央を揃えましょう。上部の「なべぶた」の中心点と下部の「小」の中心点を一直線上に配置します。中心線が通ることで、文字全体が安定した印象になります。

左右に分かれた文字の中心の取り方

左右に分かれているような字では、真ん中線を境に、左のへんと右のつくりを書けているか、確認します。

左右に分かれた字のバランスのとりかた「町」

「町」の字は、左側の「田」(へん)と右側の「丁」(つくり)から構成されています。この場合、文字全体の中心は「田」と「丁」の境界線になります。「田」を左に寄せすぎると右側が空きすぎて不安定に見え、逆に「田」が大きすぎると「丁」が窮屈になってしまいます。

左右に分かれている字のバランスのとりかた「村」

「村」も、「木」と「寸」の間が中央です。へんの「木」を細く書きすぎないように、だいたい二分の一ずつ​、「木」と右側の「寸」がほぼ同じ幅を占める​ようにしましょう。

文字の中心を意識することは、美しい文字を書くための基本です。左右対称の文字では中心線を基準とした均等な配置を、左右に分かれた文字では適切な幅の配分を心がけることで、バランスの取れた美しい文字が書けるようになります。

藤井 光砂

ふじい こうさ 日本書道学院 漢字・かな師範。西安碑林国際書道展 常任理事。霞友会副幹事。 幼少の頃より書道に親しむ。2000年より日本書道学院展、2003年より西安碑林国際書道展に出品。2021年西安碑林国際書道展 中国大使館賞を受賞。自身の作品制作の他、病院や高齢者施設での書道教授や、海外観光客向けの書道体験教室運営を行っている。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン・シティ大学大学院文化政策コース修了。

字を書くのが苦手、字が汚いので人前で書きたくない、でもどこから直せばいいのかもわからない――そんな悩みはありませんか。大人が字をきれいに書くためには、子供のときのように見よう見まねで練習するよりも、頭でルールを理解し、覚えていくのが早道です。これは美文字に近づくワンポイントレッスンです。

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