【東京・池袋】大人のためのペン字・書道教室

入門編

字をきれいに見せるコツ入門編(8)~書き始めでピタっと止めて筆圧をかける

美しい文字を書くためのコツの一つに、「書き始めで一瞬止まって筆圧をかける」という方法があります。この小さな工夫だけで、文字が引き締まって、より整った印象を与えることができます。

とても小さな点を書くイメージで

線を書くとき、とくに最初の画を書くときに、止まって筆圧を書けてみましょう。とても小さい点を書くようなイメージです。この「点を置く」という動作は、文字全体の安定感を高める効果があります。書き始めがしっかりと定まることで、字が少し引き締まって見えてきます。まるで文字に「芯」が通ったような印象を与えることができます。

起筆で筆圧をかける「一」

「一」を見てみましょう。ただ横線を書くのではなく、書き始めで少し点のようなものを書きます。始まりがしっかりと見えるようになります。

使いどころを見極める

すべての画でこの技法を使うとしつこい印象になりますし、縦と横の線が何本もあるような複雑な字で毎回行う必要はありません。

起筆で筆圧をかける「伊」

最初の画、目立つ横線、へんとつくりの最初の画など、ところどころで効果的に使うことがポイントです。文字の骨格を成す重要な線、読み手の目が最初に向かう部分、文字全体のバランスを決定づける線などを見極めましょう。

効果的な使いどころの例

  • 文字の最初の画(第一画)
  • 文字の中心となる縦線や横線
  • へんとつくりそれぞれの最初の画
  • 文字の上部や下部にある重要な横線
  • 視覚的に目立つ長い線

「さんずい」などの点ではしっかりと書く

起筆で筆圧をかける「さんずい」

「さんずい」を書くときは、三つ目の画、一番下に来る点をしっかりとひっかけるようにして書きましょう。そのほうがきれいに見えます。

起筆で筆圧をかける「美」

「美」のような字では、特に二画目の上に右から左下へ向かうはらいは、しっかりと点を書いてからはらいます。この部分が弱々しいと、文字全体がぼやけた印象になってしまいがちです。

ちょっとした工夫ですが、試してみてください。今日からすぐに実践できる、シンプルで効果的な方法です。

藤井 光砂

ふじい こうさ 日本書道学院 漢字・かな師範。西安碑林国際書道展 常任理事。霞友会副幹事。 幼少の頃より書道に親しむ。2000年より日本書道学院展、2003年より西安碑林国際書道展に出品。2021年西安碑林国際書道展 中国大使館賞を受賞。自身の作品制作の他、病院や高齢者施設での書道教授や、海外観光客向けの書道体験教室運営を行っている。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン・シティ大学大学院文化政策コース修了。

字を書くのが苦手、字が汚いので人前で書きたくない、でもどこから直せばいいのかもわからない――そんな悩みはありませんか。大人が字をきれいに書くためには、子供のときのように見よう見まねで練習するよりも、頭でルールを理解し、覚えていくのが早道です。これは美文字に近づくワンポイントレッスンです。

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