【東京・池袋】大人のためのペン字・書道教室

漢字編

字をきれいに見せるコツ 漢字編(16)~三本の左はらいは平行にしない

「彦」「参」「須」のように左はらいが3本並ぶ漢字は、日常でよく使われる文字です。多くの方が無意識に3本の線を平行に書いてしまいがちですが、実はそれでは美しい仕上がりにはなりません。

​3本の左はらい​は、一本ずつ角度を変える

3本の左はらいが並ぶときは、線の角度を少しずつ変えることがポイントです。3本を平行にはしません。

3本の左はらい「須」
具体的なイメージとしては、まず1本目の左払いを少し横向きに書きます。続いて、1本目より2本目をやや縦に向けて書き、さらに2本目よりも3本目をより縦に向けて書いていきます。
このように徐々に線の向きを下向きに変えていくのです。​扇が徐々に開いていくような感じです。
3本の左はらい「形」
印刷された活字では、確かに3本の左はらいがほぼ平行に見えます。しかし、手書きの場合はこの活字の形をそのまま真似してしまうと、かえって硬く不自然な印象になってしまいます。
3本の左はらい「形」
わずかな角度の違いによって、文字全体に美しいバランスが生まれ、より洗練された印象になります。

ちょっとしたことですが、ご自分の名前にこうした字があるときは、見栄えがよくなりますから、​試して​​​​​​​​​​みてください。

藤井 光砂

ふじい こうさ 日本書道学院 漢字・かな師範。西安碑林国際書道展 常任理事。霞友会副幹事。 幼少の頃より書道に親しむ。2000年より日本書道学院展、2003年より西安碑林国際書道展に出品。2021年西安碑林国際書道展 中国大使館賞を受賞。自身の作品制作の他、病院や高齢者施設での書道教授や、海外観光客向けの書道体験教室運営を行っている。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン・シティ大学大学院文化政策コース修了。

字を書くのが苦手、字が汚いので人前で書きたくない、でもどこから直せばいいのかもわからない――そんな悩みはありませんか。大人が字をきれいに書くためには、子供のときのように見よう見まねで練習するよりも、頭でルールを理解し、覚えていくのが早道です。これは美文字に近づくワンポイントレッスンです。

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