入門編

字をきれいに見せるコツ 入門編(5)~字の中心をそろえる

今回は、字の中心をそろえる、です。そんなことか、と思われるかもしれません。しかし意識しないと意外と簡単に曲がってしまうものです。いつも中心線の上に文字を書けるわけではありませんから、頭の中で中心線を思い浮かべて、もしくは左右の罫線を意識して、字を真ん中をそろえようとしてみてください。まずは縦書きの場合をご紹介します。

中心をそろえるとは、それぞれの文字のどこに中心が来るのかを考えて、それらを合わせていくということです。

中心はどこか

へんとつくりに分かれる漢字では、二つのパーツの境目が中心です。別の回で説明しますが、「へん」「つくり」は、半々ぐらいと考えてください。へんの部分が左に寄りすぎないほうがいいです。
例:「羽」「板」「訂」「花」

左右対称の字であれば、横線の真ん中あたりが中心です。真ん中に点や線があるものは、さらにわかりやすいですね。
例:「豆」「元」「宮」「生」

ひらがなの場合

ひらがなの中心は、少し注意が必要です。すべてのひらがなは、漢字をもとにして(元の漢字を略すようなかたちで)つくられました。したがって、もとの漢字が何かによって、中心がどこに来るかも決まります。それぞれの字によって異異なるため「ひらがな編」で説明していきます。

原則として、ひらがなは漢字にくらべて小さく(8割ぐらいの大きさで)書くのがルールですから、まずは真ん中に寄せて小さめに書くことを意識してみてください。

藤井 光砂

ふじい こうさ 日本書道学院 漢字・かな師範。西安碑林国際書道展 常任理事。霞友会副幹事。 幼少の頃より書道に親しむ。2000年より日本書道学院展、2003年より西安碑林国際書道展に出品。2021年西安碑林国際書道展 中国大使館賞を受賞。自身の作品制作の他、病院や高齢者施設での書道教授や、海外観光客向けの書道体験教室運営を行っている。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン・シティ大学大学院文化政策コース修了。

字を書くのが苦手、字が汚いので人前で書きたくない、でもどこから直せばいいのかもわからない――そんな悩みはありませんか。大人が字をきれいに書くためには、子供のときのように見よう見まねで練習するよりも、頭でルールを理解し、覚えていくのが早道です。これは美文字に近づくワンポイントレッスンです。

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