入門編

字をきれいに見せるコツ 入門編(6)~はらい以外の画は、しっかりと止める

字がきれいに見せるためには、線の最後はしっかりと止めます。右払い、左払い、はね、などの画を除き、ピタっと止めることです。

よくあるのは、短い画や横線をはらいのように書くことです。

横線や最後の一画をはらわない

これらの横線や最後の画は、楷書では、はらいません。はらうと文字が少しだらしなく見えないでしょうか。

わずかなことですが、最後をピタッととめたほうが、きちんとした落ち着いた字に見えます。

横線を止めないと、急いで書いたような字に見えますね。もちろん、急いで書きたいときもあると思います。

しかし、人に渡すメモやはがきなどでは、きちんと止めたほうが印象がよくなります。

なお、行書においては止めないのですが、これは次に書く字に向かってはねているので、さきほどのように反りかえったようなはらいとはなりません。

余談として、印鑑などで使用される隷書体ではこうした画も右払いにしますが、隷書を書くならば、他の横画も右払いにする必要が出てきますので、普段書く字としては向いていません。

ひらがな、カタカナも同様に止める

ひらがなやカタカナでも同じです。特に最後の画は気を付けて止めます。

はらうと反るような線になってしまいますが、いずれも反対に丸みを持たせた画になります。

止めるようにすると、書くのに少し時間がかかるかもしれません。つまり丁寧に書いていることになり、それは相手に伝わるものです。当たり前のことですが、急いで書いたものよりも、止めをしっかりしたほうがきちんとした字に見えます。

藤井 光砂

ふじい こうさ 日本書道学院 漢字・かな師範。西安碑林国際書道展 常任理事。霞友会副幹事。 幼少の頃より書道に親しむ。2000年より日本書道学院展、2003年より西安碑林国際書道展に出品。2021年西安碑林国際書道展 中国大使館賞を受賞。自身の作品制作の他、病院や高齢者施設での書道教授や、海外観光客向けの書道体験教室運営を行っている。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン・シティ大学大学院文化政策コース修了。

字を書くのが苦手、字が汚いので人前で書きたくない、でもどこから直せばいいのかもわからない――そんな悩みはありませんか。大人が字をきれいに書くためには、子供のときのように見よう見まねで練習するよりも、頭でルールを理解し、覚えていくのが早道です。これは美文字に近づくワンポイントレッスンです。

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